コロナ禍になって早3年。
少しずつ国同士の状況も緩和してきて海外旅行やワーホリに行く人が増えてきたように感じます。
ここでは
・海外旅行先で美容室に行ってみたい人(そんな冒険者いるかな?)
・海外に長期滞在予定の人
・ワーホリで美容室で働くかもしれない人
・海外の美容室に興味のある人
にむけて、カナダで美容室勤務経験のある私が日本との違いについてお話ししていきますね。
カナダと日本の美容室の違い
私はカナダの日系サロンでワーキングホリデービザで働いていました。
仕事内容は基本的に日本でやっている美容室の仕事と大差はありません。
ですが
・ここは日本ではない、海外だ
・法律的にここが違う
・共通認識の英語だと思っていたら違っていた
・メニュー内容の違い
・日系サロンならではのおもてなしに驚く人がいる
などなどいろんな発見があって面白かったです。
では詳しく掘り下げていきましょう!
新規のお客さんには同意書にサインしてもらう
初めて訪れる美容室では、顧客管理のために名前や電話番号を書かされますよね?
海外でもそこは同じなのですが、それにプラスして「施術の同意書へのサイン」が求められます。
内容は
「私はカラーやパーマなどケミカルを使った施術に対するリスクに納得し、なにかあっても訴えることはしません」
というようなことです。
お店側のリスク管理ですね。
日本とくらべるとやはり「訴える人」というのは格段に多いようです。
カウンセリングではなくコンサルテーションだった
日本ではよく「カウンセリングしますね」と言われ、髪の毛をどうしたいかなどの相談をするために鏡の前に通されますよね?
外国でも同じような流れがあるのですが、英語だとカウンセリングではなくて「コンサルテーション」でした!
カウンセリングはカウンセリングじゃないらしい。
⚫︎カウンセリング(counseling)
心の悩みや不安を話し合って援助、治療していく相談関係。
相手と同じ目線で一緒になって問題を解決して行く
⚫︎コンサルテーション(consultation)
専門家が専門知識を提供して考える。具体的な問題解決にむけて分析していく。
チップは重要。払いましょう。
日本に住んでいると海外旅行先でのチップは思わぬ出費ですよね。
私もできるだけチップの必用ない外食で済まそうなどと考えがちになります。
ですが!もらう側になってわかるチップの偉大さよ!
初めて貰ったときにはなんとも言えない喜びがありました。
チップ多くくれる人にはこちらも良くしてあげようという気持ちが芽生えるし。
チップによってお互いがwinwinになるんですよね。
たまにくれない人がいましたが、やっぱり社内で「あのお客さんはくれない人」となり、それ相応の扱いになってしまうのも経験しました。(最低限の接客しかしない)
チップの扱いですが、うちの店は全部回収して給料日に折半というシステムでした。(たまに店長の目を盗んでその日のスタッフで山分けする事もあったw)
毎月給料にプラスされていくらかチップが給料日にいただけるんですが、人によっちゃチップで家賃払ってるとか!
私はそこまで働いてもいなかったのでチップは食費程度でしたが。
でも、基本給に手をつけずに食費がまかなえたんですよ。
チップほしい!チップ制度をぜひ日本にも!!!!
犬が一緒に来店する
日本でも犬と一緒に来店するお客さんはたまにいらっしゃいます。ですが、日本の職場の場合、小型犬は入店可だけど待合スペースで待機、大型犬は外に繋いどいてもらいます。
カナダの場合、大型犬でもお客さんの隣に座ります。
隣におとなしく座ってました。
スペースの問題もあるかもしれませんが、邪魔にならない程度に犬が飼い主のそばにずっといるのは驚きでした。
マッサージのサービスは基本的に無い
働いていたのが日系サロンだったので、お客さんの髪の毛を乾かす前に軽めのマッサージのサービスをしていました。
新規のお客さんだと
みたいになって面白かったです。
「日本の美容室だとこんな感じのマッサージのサービスがあるんだよ」
と言うと「へー!へんなの!w」みたいな返しがありました。
マッサージのサービスって考えてみたら独特ですよね。
日本ではよくあるサービスですが、外国には基本的にはありません。
パーマをかける人が少ない
約1年間カナダのお店に勤めていて、パーマを巻いたのは一回だけでした。
そのぐらい需要が少ないです。クセ毛の人が多いからでしょうか?
カールが欲しい時は仕上げの時にコテで巻くのが一般的でした。
オキシのパワーが強い
美容師がよく言う「オキシ」。これは「過酸化水素水」の事で、カラーやパーマに遣われる2液の事です。
カラーに使う際は脱色剤として使用します。
この脱色剤、日本だと薬事法で6%までと定められてますが、私が働いていたカナダのお店には12%までありました。(パーセンテージが高いほど脱色するパワーが強い)
なぜなら日本人の髪の毛よりも欧米人の髪の毛の方がキューティクルが厚く、6%ではパワーが足りないからなんですよ。
なので、日本人が12%を使うと傷みやすいです。
(でもブリーチする時には12%のほうが綺麗に早く色が抜けるので、日本人美容師は喉から手がでるぐらい欲しがっています)
よって、ローカル美容室で髪の毛を染める時は、場合によっては傷めさせられる可能性があるということをあたまの片隅においておいたほうがよいです。
ボイラー設備の仕組みが違う
日本はお湯を捻れば永遠とあたたかいお湯が出続けますよね?
カナダの美容室は
水をお湯用の大きなタンクに貯めて保温→蛇口からお湯
という謎のシステムになっていまして。
忙しい時にタンクのお湯が無くなったら水しか出なくなってしまい、水をレンチンしながら営業した思い出がありあます。。
水圧が弱い
初めてカナダの美容室でシャンプー台を使った時、「は?」ってなりましたわ。
なぜかって?
「このチョロチョロでシャンプーするの?時間かかりそう….カラーとかちゃんと落ちるのだろうか…」
というのがワーホリ初期の水圧に対する印象でした。
でも慣れるもんですね。当たり前に難なく仕事できるようになりますよ。
逆に日本に帰って職場に復帰した時は
でした。
お客さんが多種多様で国際色豊か
私が働いていたのはカナダのバンクーバー。
日本では出会えない多種多様な人々に出会えました。
・語学留学中で英語の通じない中国人(お互いに意思の疎通頑張った)
・MTFの常連弁護士さん
・英語の通じないモンゴル人のおばあちゃん(フィーリングで会話)
・ギャルノリでくるフィリピン人オネェ
・クリスマスにチップ100ドルくれる富豪香港人
・英語10回聞き返してもずっと笑顔で対応してくれるチャイニーズカナディアン
・厳しいけど英語教えてくれるカナダ人のおばちゃん
などなど…
みんな外国人の私に笑顔で優しく対応してくれる方ばかりでした。
あなたが日本で行く美容室。
周りのお客さんが国際色豊かでいろんな言語が飛び交ってくるというのは日本ではなかなかないのではないでしょうか?
日本だとジロジロ見られてしまいそうな人でも、この国では馴染んでおり誰も気にとめませんでした。
海外の美容室へ行く場合の注意点
観光地を巡る旅行も良いですが、美容師としては現地の美容室に行く体験も面白いんじゃないかな〜と思っています。
でも、以下のことを頭にいれておかないと、とんでもないことになるかもしれません。
・海外では日本のように細かく注文する人が少なく「おまかせ」が主流。細かく注文してもその通りにならない可能性がある
・言葉に自信がない場合は写真を見せること
・ローカル美容室を体験する場合はシャンプー&ブローのみがオススメ(安全)
・髪を切ってショックを受けたくなければ日系ヘアサロンへ
言葉の壁も楽しみながら異国の美容を楽しんでみるのもアリですよ。